ウッド製スライドリングシート交換のページ
このページでは、渓流ロッドによく採用されているウッド製のスライドリングタイプ(リング・アンド・ポケット)の交換作業のご紹介をします。数年使っているロッドをお持ちの方はご自分のロッドに不満を感じている方もいらっしゃるはずです!そんな方は、是非参考にしながら交換にチャレンジしてみてください。
※本来はポケット・アンド・リングタイプにそのまま交換すれば簡単なのですが交換はアップロックスクリュータイプに交換です。基本的にはどちらも同じような感じで交換していきます。グリップ側に加工が要らなくなる分、ポケット・アンド・リングタイプの方が簡単で楽です。
一般的に低番手のロッドは画像のようなタイプのリールシートがついているかと思います。ポケット・アンド・リング形式のリールシートです。特に壊れているわけではありませんがとりあえず交換!!
※画像のものは自分で数年前にビルドした8.9フィート#3のロッドです。
これはアップ画像です。今回はこのシートがアップロックスクリュータイプになります。同じタイプに交換してももちろん問題はありません!!
リールシート交換のついでにグリップも交換することに決めました。リールシートを交換するのであれば同時にグリップも交換すると良いでしょう!
グリップは画像のようなタイプを使用します。(リバースドシガー)アップロックスクリューのシートに交換しますのでそれなりの形状を選びます。(それなりとはリールフットが入る部分が膨らんでいるものです!!今回の場合ですが・・・)
リールシートです。アップロックスクリュータイプ(ストラブル製を採用しました)ですがこう見ると意外とパーツ点数が多いことが分かります。
上記のシートを簡単に組み立てた状態です。(接着はしていません!!)
ちょっと画像がボケていますがスミマセン!!
ここから解体作業になります。まず、リールシート金具を外します。ほとんどの場合は接着剤などで接着されているだけですのでライターなどであぶり、布切れなどをかぶせてからプライヤーで外します。意外と簡単に外れます。
次にウッドの部分になります。
時々、ウッドの部分をお湯につける(煮立ったお湯に数分〜数十分)と抜けると聞きますが低番手のロッドの場合、ブランクそのものが薄いためあまり熱を加えたり、力を入れることはできません。物によっては、煮立ったお湯につける方法は通用するかもしれませんが破損する可能性がありますので少しずつ壊して行く方が確実です。ウッドの再利用は出来なくなりますが・・・。金ノコや糸ノコで少しずつ切りこみを入れていきます。
画像、非常に確認しにくいですがこのように斜めに切りこみを少しずつ入れて行きます。ブランクまで切ってしまわないようにちょっとずつ進めましょう!!
切りこみを入れた分はカッター、ニッパーなどでウッドをちょっとずつはがしていきます。
この画像はグリップ、リールシートがはがし終わった画像です。画像の左側にワインディングチェックやフックキーパなどがそのまま残っているのが分かるかと思います。残った接着剤などはなるべくキレイにはがした方が後工程で取り付け作業が楽になります。ブランク表面に塗装が施されていますが取れてしまっても問題ありません!!画像はカーボン下地が出ているのが分かるかと思います。
この画像は剥がれてしまった表面塗装の分部にウレタン塗料を塗装しました。この作業は行わなくても良いですが何年後かにグリップやシートを交換する可能性のある方は行っておいた方が良いかもしれません。次回壊すとき、接着剤などの残りがはがしやすくなります。(表面の塗装と一緒にはがす感じになります)
グリップはこのようにバット側から入れる事になります。コルクグリップの穴径は少しきつめにしておくと良いです。グリップから見るとブランクは逆テーパーになりますので本来の位置まで入った時には少しゆるくなります。テーパーがきついほどゆるくなりますがあまりにもゆるい場合はコルクグリップがかぶる部分にスレッドなどを巻いて調整してください。
これは今までロッドについていたリールシート金具です。強引に外さなければ再利用できます。が今回の私の場合はアップロックスクリューのため必要ありません。
グリップを一度通してみて具合を確認してみます。
リールシートもどれくらいの位置になるかを確認します。シートは仮組み状態でリールフットの入る部分の目安をつけます。
寸法がきまりましたらリールフットが入る部分を切断します。大型のカッターなどで垂直にカットします。
カット完了。断面はペーパーをかけ、平らにします。
リールフットが入る部分のコルクを接着します。今回はエポキシの接着剤を使用しました。接着するまでは圧力を加えピッタリと接着します。センターが出るように行ってください。
画像のリングはリールフットの入るリングです。
あとは各パーツを接着していきます。グリップの接着、シートのウッド、金具と順番に接着です。2液性のエポキシ接着剤をたくさん塗ってしっかりと接着します。
確実に接着後、リールフットの入る部分のコルクを削ります。
最初は金ヤスリなどを使い大まかに削り、次にペーパーで荒削り、中削り、仕上げと言う感じで仕上げて行きます。
画像は作業終了のものです。
TOPページへもどる